研究概要
作為義務を中心に研究しています。作為義務とは、他人に損害が発生することを防止する義務のことです。例えば、Aさんが川で溺れている、このとき、近くを歩いていたBさんはAさんを助ける法的義務を負うか否か、というのが作為義務をめぐる問題となります。道徳的に考えると、BはAを助けてあげるべきでしょう。しかし、それを法的な義務にすると、Bには行動の自由がなくなりますし、そもそもAが溺れているのはBのせいではないのに、なぜBが責任を負わなければならないのかという疑問もでてきます。このように、作為義務は、考慮すべき要素が複雑に錯そうしています。この点について妥当なルール形成をするための研究をしています。