心の手帳 64号(2021年2月)

まだ見ぬ春

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 暦の上では立春を迎えておりますが北海道ではまだまだ雪が残っており、寒い日が続きそうです。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
この時期になると空気が乾燥しており、季節特有のインフルエンザなどの感染症にも気を付けなければならないのですが、特に今年は新型コロナウィルスの感染対策である、手洗いやうがい、マスクの着用や手指消毒を行っているためかインフルエンザの感染報告人数が例年よりもかなり少なくなっているそうです。現在行われている感染対策に効果があるということかもしれません。私も引き続きしっかりと感染予防をして乗り切りたいと思っています。
皆様がこれから来る春を元気に迎えられますよう願っております。

「スキーのリズムとコミュニケーション」

宮﨑 友香 (心理臨床センター研究員?本学准教授)
 2月はまさにスキーシーズンの中でも素晴らしい雪質なため、凍てつく寒さでも先日スキーに出掛けました。昨年度のこの時期は、コロナが流行り始めた時期でしたので、スキーも自粛しましたが、今回はマスクを着用し、道中や現地でも感染症予防に留意しながら、子どもとスキーを楽しみました。
 ちょうど子どもが八の字(ボーゲン)から二の字(シュテムターンやパラレル)に移行する時期で、ストックを使わないで続けてきた練習から、ストックをうまく使う練習に切り替わりました。ポイントは、身体を正面に向けたまま、ストックをついてから曲がる、ついてから曲がる…これが慣れないと難しいようです。
 コーチに、上達するには「やっぱり、前傾姿勢を安定して取れることが大切ですか?」と伺うと、意外な回答をいただきました。「スキーは、いかに骨盤を立てられるか、なんですよ。」とのことでした。みなさん、「骨盤を立てる」って、ご存じでしょうか?私は、リラクゼーションの呼吸法、ヨガ、様々な運動で見聞きしたことがありますが、スキーで「骨盤を立てる」状態とは?
 早速、子どもと挑戦しました。前傾姿勢は取れていても、骨盤を立てた状態をキープすることは難しいものです。子どもは首をかしげる一方なのですが、コーチを見ると、姿勢がよく、骨盤が立っているから、抜群の安定感なのだと気づきました。
 この状態で、身体を正面に向け、ストックをついてから曲がると、自然にリズムが生まれますよね。抜群の安定感に、トン、シュッ、トン、シュッのリズム。このリズミカルな世界観は、クライエントさんとセラピストのコミュニケーションの「リズムが合う」ことを連想させます。よく、楽器の「チューニング」に例えられますが、私は冬になると、このスキーのリズムを思い浮かべます。方向は共に前を向き、安定した土台で、右に曲がったら、自然に左に曲がる、その相互のやり取り。コミュニケーションも運動も、リズムが合う、そのための確かな土台、バランス、等、大切なことは共通しているものですね。
 それにしても、何十年もスキーヤーでいながら、「骨盤を立てる」という極意を知らなかった私は、一体?と思った真冬の1日でした笑。

実習生(大学院生)のつぶやき

 一人暮らしをはじめて数年たち、一人で買い物をすることにもすっかり慣れっこになりました。先日食材を買いにスーパーに出かけたところ、いちごの棚が増えているのに気づき、「春が来るんだなぁ」と感じました。外に出ることも少なくなりがちなこの頃、スーパーに並ぶ食材で季節を感じることができ、こころが暖まったように思います。
 調べると、初春にいちごが旬になり、続けて桜の咲く頃にさくらんぼが、そうして、初夏の頃からすももや桃が旬になるそうです。旬の食べ物は、美味しいのはもちろんですが、季節の風物詩としても私のこころを瑞々しくしてくれるのだな、と思います。
 いちごを買ったあと外に出ると、こころなしか日差しを暖かく感じました。皆様も、旬の食べ物を食べて季節を味わってみてはいかがでしょうか。(N.S)