人間科学科

Department of Human Sciences

【人間科学科】2010年度は北竜町でフィールドワーク

2010.07.24

お知らせ

2010年度は北竜町でフィールドワーク


受講生が「社会調査法」の授業で学んだ知識や方法をもとに、実際にそれを使って「社会調査」を実施する「フィールドワーク」の授業の様子を報告します。30年余にわたって実施されてきたこの授業では、これまで主として北海道内の地域社会を対象として、とりわけそれぞれの地域におけるまちづくりのとりくみについて調べてきました。一昨年までの室蘭市、昨年の夕張市につづいて本年度は空知の北竜町を対象地として選びました。
2010年度は北竜町でフィールドワーク


北竜町は稲作を中心とした農業のまちですが、なによりもこのまちを有名にしたのは、作付け面積日本一といわれるひまわりの花による夏のイベント「ひまわり祭り」です。20年ほど前から始まったこのひまわり祭りは、はじめの頃こそ知る人ぞ知るといったものだったようですが、現在では7月から8月にかけての開催期間中に20万人が訪れ、にぎわいをみせるほどになったとのことです。人口の流出が進み、地域の活気が失われていくなか、まちのシンボルともなったひまわりを観光のための資源として、まちづくりのとりくみが進められてきたわけです。

前期の授業を通じて18名の受講生たちは、北竜町の歴史、人口動態、産業構造などについて、文献や統計資料等にもとづいて調べ、この地域の現状と、そこに暮らす人々が抱えている諸問題をまずは理解することを試みてきました。後期が始まるとすぐに現地へ出向き、3泊4日でフィールドワーク(現地調査)を実施します。そこでは「ひまわり祭り」に関わりをもつ農協、行政、商工会、ボランティア等といったまちの諸組織の人々を調査対象として、インタビュー調査が実施される予定です。受講生たちはそれらの人々に何を質問し、どんな話を引き出すのかを考え、現地調査の準備にとりかかっています。

2010年度は北竜町でフィールドワーク

そのようななか先日(21日)、予備調査をかねて今年の「ひまわり祭り」を見学にいってきました。大学からバスで2時間弱の距離ですが、空が低く、札幌近郊とは明らかに異なる景色が広がります。今年は天候の関係でひまわりの開花が遅れ、すべて満開というわけにはいきませんでしたが、広がる水田の向こうの丘が黄色く浮き上がったようにもみえる「ひまわりの里」はそれぞれにとってインパクトのある光景だったようです。平日にも関わらず、外国人も含めてまずまずの観光客の集まり具合で、今年の「ひまわり祭り」のもりあがりは期待できそうです。
2010年度は北竜町でフィールドワーク

現地での本調査は、ひまわりの季節も終わり、おそらくはすっかり秋めいているであろう10月に実施されます。調査の結果は、毎年『報告書』としてまとめられますが、今年はそれに加えて、10月22日(金)に予定されている学内でのシンポジウムでも発表することになっています。体験的な調査を通じて、大学生ならではの視点から、まちづくりのとりくみとこのまちが抱える課題について明らかにし、地域社会のこれからのあり方についてのヒントを探し出してもらいたいと願っています。
  • 発行日: 2010.07.24